こころの未来|SHIOMERでの「メンタルパフォーマンス」ビジョン共創ワークショップ開催

「心」の資本化から、未来の社会と自らの態度を考える

パナソニック エレクトリックワークス株式会社による共創R&D拠点「SHIOMER(シオメル)」にて、「メンタリティパフォーマンス(MP)」でビジョンを発想する第4回 ビジョン共創ワークショップを開催いたしました。

今回のテーマは、VISIONGRAPHの翌年予報シリーズ「2023年予報」にて発表した「メンタルパフォーマンス」。お金や時間と同じように「心」を資本として捉える新たな未来像です。

この未来像についての講義とワークを実施することで、未来を深く考察し、その未来に対して自社、自身としての「態度(ビジョン)」で取り組んで行きたいかという視点を大切にビジョンづくりに取り組んでいただきました。

VISIONGRAPHが毎年発行している翌年予報(2023年予報)


背景

本ワークショップでは、我々が独自に発表している未来予報の視点から私たちの行動を構造的に組み替え、新しい社会の設計図を描くことを目指しました。

現代の私たちが感じる疲れの正体は、個人の心の弱さではなく、社会が長年放置してきた目に見えない「心のコスト」にあります。 「気遣い」や「察すること」という美徳の裏で、私たちは無自覚に「心の通帳」の残高を減らしています。時間やお金と同様に、パフォーマンスの概念に「心の使い方」が組み込まれる未来において、人々の価値観や行動様式はどのように変化するのでしょうか。


実施内容

01 心の「MP(メンタルパフォーマンス)」の観察と計測感情を抜いた「観察」から行動原理を構造化する

行動と状況による心のエネルギーの増減を、感情を抜きにして観察する「MP構文」の洗い出しを行いました。 「いきなり電話をしない」「既読をつけない」、あるいは「男性の全身脱毛が増える」といった現代の無意識の行動が、実は「心の準備というコストを負わせたくない」「心の摩擦を最小化したい」という欲求の現れであることを構造化しました。

02 「MP(メンタルパフォーマンス)」が規定する未来の「当たり前」の設計「心の摩擦ゼロ」を標準値とした未来社会を描く

MPが社会の標準値となった未来において、人間が自然にどのような選択をするかを考察しました。 メンパ社会を規定する「5つの反応原理」をもとに、「家族の今日のメンタル状況がAIで表示される」「AIが全てのコミュニケーションを代行するオフラインモード」「電車のシートが個別に調整可能になる」といった、「心の摩擦ゼロ」を追求した未来の日常シーンを具体的に描き出しました。

03 ビジョン(態度)を決定し、社会へ接続する: 未来の社会に対し、どのような覚悟を持つかを選択する

心の摩擦ゼロを追求した社会に生じる、「楽」と「人間らしさ(イノベーションを生むノイズ)」のトレードオフというジレンマに向き合いました。 その未来社会に対し、自社としてどのように関わるのか、「推進」「翻訳」「補正」「保護」「対抗」「支援」の6つから自らの「態度」を選択。未来は予測するものではなく、覚悟と行動をもってコミットするものであるという視点から、「明日からできること(次の一歩)」を表明しました。


見えてきた問い

  • 「心の摩擦ゼロ」を追求する社会において、「楽」であることと「人間らしさ」のトレードオフをどのように乗り越えるのか。

  • 全てがフラットに効率化された社会の中で、イノベーションの源泉となる「ノイズ」や「心の余白」をどのように設計するのか。

  • 心の効率化によって失われつつある「エモさ」や「人間らしさ」に対し、私たちはそれを「推進」すべきか、あるいは「対抗」して守り抜くべきか。


当社が提供する価値

  • 無意識の行動を構造化し、社会変化の兆しを捉える 

    人々の何気ない行動の裏にある「心の摩擦を避けたい」という欲求を客観的に観察し、未来の行動原理を導き出します。

  • マクロな概念を、具体的な日常シーンへ落とし込む 

    「メンタリティパフォーマンス」という概念から、AIによるコミュニケーションの代行やパーソナルスペースのあり方など、未来に生きる人々の具体的な日常風景を設計します。

  • 未来に対する自らの「態度」を引き出す 

    単に未来を予測して終わるのではなく、その未来に対してどう振る舞うかという「態度(ビジョン)」を決定させ、明日からの具体的なアクションやビジネスの設計へと繋げます。


本ワークショップは、パナソニック エレクトリックワークス株式会社の共創R&D拠点「SHIOMER」にて実施されました


PROJECT TEAM

Futurist  宮川 麻衣子

Researcher  高橋 功樹