SXSW Music Festival出演に関するよくある11の質問
10/30のSXSW MUSICミートアップイベントでは、SXSW音楽部門の参加方法について、下記の4点を紹介させていただきました。
<SXSW MUSIC FESTIVALへの参加方法>
1.カンファレンスセッションへの出席
2..SXSW MUSIC OFFICIAL SHOWCASEへの出演
3.OFFICIAL SHOWCASE PRESENTERとしてステージのオーガナイズ
4.SXSW SONGS ソングライティングキャンプへの参加
その中でも特に関心の高かった、 2.SXSW MUSIC OFFICIAL SHOWCASEへの出演 について、参加者の皆様から質問が多かった点や、スピーカーの話の中で印象に残った点など、Q&A形式でご紹介させていただきます。SXSWに出演してみたい!という方は是非読んでみてください。
INDEX
SXSW Music Festivalへ出演するにはビザが必要?
SXSW Music Festivalへ出演するにはお金がかかる?
SXSWでは期間中に複数回ライブができる?
観客はどんな人が集まるの?
ライブ会場はどんな感じ?出演アーティストが会場の希望を出せるの?
Showcase出演は誰でも応募できるの?
日本のアーテイストがSXSWで成功する秘訣は?
自分のライブがない日は何をすれば良い?
楽器やステージ機材は日本から持っていくの?
英語が話せないとダメ?
Showcaseに応募したけど落選してしまったら?
1. SXSW Music Festivalへ出演するにはビザが必要?
A.渡航者の目的ごとに異なります。
SXSW Music Festivalは、Coachellaのような一般観衆向けのフェスティバルではなく、産業ショーケースという位置づけのため、SXSWだけに出演する場合は就労ビザを必要としません。非就労ビザのB1/B2ビザ、またはVWP/ESTA(ビザ免除プログラム)の対象となります。ただし、渡航者によってはSXSWと組み合わせて米国内でのツアーや、他のライブイベントへ出演する場合もありますので、それぞれ適切な就労ビザを取得してください。
※要注意※
VWP/ESTAの対象であるにも関わらず、SXSWへ出演予定のアーティストが入国管理局の判断で入国を断られるケースが実際に起きており、SXSW事務局では全ての出演者にビザ取得を強く推奨しています。ビザに関するトラブルについて、SXSWおよびSXSW Japan Officeは一切の責任を負いません。
アーティストビザについて、詳しくはこちらをご参照ください。(英語)
2. SXSW Music Festivalへ出演するにはお金がかかる?
A. SXSWからアーティストへ出演料を請求することは一切ありません。
ただし、渡航費や滞在費、会場備え付け以外の機材費等は全てアーティスト自身の負担です。人数にもよりますが、日本からの出演はそれなりの費用がかかってしまうため、SXSWという場所で演奏できるチャンスを最大限に活かせるように目的を明確にして、現地での交渉ができるようにするなど、事前準備を入念に行い参加することが重要です。
※HPからの応募時に審査のための申請料が必要です。参考までに2019年は早期申し込みの割引価格が$35、通常価格は$55でした。
※近年「SXSWに出演させてあげるから」という口実でお金を騙し取る詐欺があるようで、オフィシャルHP上でも注意を呼び掛けています。
https://www.sxsw.com/music/2019/watch-out-pay-play-scams/
3.SXSWでは期間中に複数回ライブできる?
A. SXSW Official Showcaseに選出された場合、最低でも期間中1回約40分のステージが保証されています。それ以外にも、企業による出展ハウス内で演奏したり、Showcase Presenterによるステージに出演するなど、アーティスト自身の交渉次第で、期間中に複数回ライブを行う事ができます。もちろん実力や人気によるところもありますが、SXSW期間中にネットワーキングを行う事で翌年の出演会場を増やした事例もあり、アーティスト自身が長期的に計画を立てて動く事が重要です。
4.観客はどんな人が集まるの?
A.Official Showcaseにおいては、SXSWバッヂホルダーの音楽業界関係者がオーディエンスです。
SXSW期間中は、昼間はカンファレンスが行われ、夜になるとShowcaseライブが行われます。SXSWに参加する音楽関係者の多くはビジネスとして参加していますので、世界中から新しい才能を持ったアーティストが集まる場では、海外レーベルの契約担当者、海外フェスのブッキングエージェント等と直接交渉が行われるケースも少なくありません。音楽メディアのライター等メディア関係者も多いので、うまく注目されれば海外メディアで大きく取り上げられるチャンスもあります。Presenter Showcaseの会場によっては、リストバンドを購入した一般オーディエンスも入場しています。ちなみに、2019年のSXSW Music Festival期間中の合計来場者数は約15万9千人でした。
5. ライブ会場はどんな感じ?出演アーティストが会場の希望を出せるの?
A. オースティンは音楽の街と呼ばれており、その名の通り街中のいたるところにライブハウスやミュージックバーがあります。Showcase会場のほとんどはそれらのライブハウスで、SXSW2019では94ものステージがありました。ライブハウスにより規模は様々ですが、30人程度の小さなバーから、大きいところでは500人規模のライブハウスとなります。会場は事務局側で割り当てますので選ぶことはできませんが、会場規模に関わらず集客は様々ですので、期間中にはアーテイスト自身がチラシを配ったり、SNSで積極的に発信したりして観客を増やす努力をしています。
6. Showcase出演は誰でも応募できるの?
A. HP上の申し込みフォームから誰でも応募可能です。
残念ながらSXSW2020への申し込みは10/25で締め切りとなってしまいましたが、SXSW2021に向けて、例年通りであれば来年の夏~秋にかけてが応募期間となります。応募は誰でも可能ですが、もちろんSXSW事務局で審査がありますので、出演権を獲得するためには、これまでの活動実績、音源やビデオ、SXSWを通して実現したい目標等を応募フォーム上でアピールする事が重要です。
※参考までに、選定基準としてはoriginality, technical ability, songwriting skills, career establishment, overall artistryが挙げられています。(英語)
7. 日本のアーテイストがSXSWで成功する秘訣は?
A.SXSWでの目標を明確にし、しっかりと準備を行う事。
SXSWではアーティストに演奏する場所を提供しますが、それをどのように活かし、キャリアに繋げるかは個々のアーティスト次第です。目標を持たずに、ただ海外フェスで演奏してみたいという気持ちだけでは、単に思い出作りで終わってしまいます。逆にSXSWをきっかけに海外に活動の場を広げたアーティストの多くは、SXSWでの目標をしっかりと立てて、渡航前から長期的に準備を行っています。具体的には、自分達の強みをしっかりアピールできるようにしておく、SXSW参加予定の海外エージェントと事前に連絡を取っておく等、積極的に動く事が非常に重要です。
8. 自分のライブがない日は何をすれば良い?
A.Showcase以外にもやることはたくさんあります!
SXSW Music Festival期間中は、オースティンの街中が音楽で溢れ、お祭りのような活気があります。気になるShowcaseを見に行ってアーティスト同士で仲良くなるのも良いですし、パーティーやミートアップに足を運んで海外レーベルや音楽関係者とのネットワーキングを行う事もできます。また、日中は音楽に関するカンファレンスも行われていますので、興味のあるセッションに参加してみるのも面白いかもしれません。数えきれないほどのイベントが同時に開催していますので、事前にスケジュールを確認して計画を立てておきましょう。
※Showcaseに選出されたアーティストには、アーティストリストバンドが提供されます。アーティスト専用のラウンジを利用できるほか、Keynotes & Featured Speakers, Music Mentor Sessions, Round Tables, Workshops and parties等に参加できます。詳しくはこちら。(英語)
https://support.sxsw.com/hc/en-us/articles/206421725-What-access-does-an-Artist-Wristband-provide-
9. 楽器やステージ機材は日本から持っていくの?
A. 会場備え付けの機材以外はすべてアーティスト側で準備する必要があります。
楽器はもちろんですが、バックライン機材もアーティスト側の負担となります。日本から持っていく事が難しい場合は、各自で現地のステージプロダクションに手配を依頼する必要があります。会場により詳細は異なりますので、出演するステージが決まったらSXSW事務局に確認しましょう。
10. 英語が話せないとダメ?
A.英語でコミュニケーションができた方がチャンスが広がります。
Showcase出演だけであれば片言の英語でも問題ないと思いますが、前述の通りSXSWは海外展開のチャンスとなる絶好の機会です。アーティスト本人が話せない場合は、交渉のために英語が話せる人を連れて行くなど、それぞれの目的に合わせて最善の準備をして望む事をお勧めします。
11. Showcaseに応募したけど落選してしまったら?
A. Showcase出演以外にもSXSWに参加する方法はたくさんあります!
SXSWでは音楽に関する最先端のカンファレンスに参加したり、専門家に相談できるメンターセッションを利用できます。音楽関係者が集まる数多くのセッションやパーティーに参加して、自分次第で来年以降の参加に繋がる強力なサポーターを見つけることができるかもしれません。何よりSXSWの雰囲気を実際に体験する事で、SXSWに出演して達成したい目標が明確になり、翌年以降の再チャレンジをより有意義なものにできるはずです。Showcaseへの応募者は、特別価格でバッジ(入場パス)を購入することができます。
より多くの日本のアーティストの方々にSXSWへ出演してもらえるよう、SXSW Japan Officeでは引き続き情報を発信していきます。
出演に関するご相談や、こういった事が知りたい!等のご要望があれば、お気軽にjapan@sxsw.comまでお問い合わせください。