[SXSW報告] Interactive Innovation Award受賞作品 一挙公開!
2015年になりSXSW Interactive Awardは18回目の開催となりました。
そしてInteractive Innovation Awardと名前を変えて部門の見直しを行い、よりユニークなビジネスイベントのSXSWらしさが伺えるように進化をしました。
それでは、2014年に世に出た、テクノロジーを使ってベターワールドをつくる挑戦の数々を見ていきましょう!
各ジャンル毎の説明も追加しているので、是非参考にしていただきながら、来年は日本からの挑戦者がもっと増えることを祈っています…!
1. Best of Show は 3Dプリンティングカー!
Strati: the World’s first 3D Printed Car | Local Motors
ローカルモーターズの3Dプリンターで製造された車がベストオブショウでした!
1台の製造にかかる時間はなんと44時間!製造スピードだけでなく、環境配慮(流通コストの削減・労働地域の分散や廃棄物の削減)など、様々な観点で見ても素晴らしいですね。
2. Speaker of the Event | Martine Rothblattがベストオブスピーカーに!
キーノートの予習でもご紹介した、妻のマインドクローン「BINA48」を通じ、人間のあり方について議論を交わしたマーティン・ロスブラット氏がベストスピーカーに輝きました。自らのバックボーン(子どもの病気やセクシャルマイノリティであること)から湧いた疑問をベースにしながら、既存の権威となっている固定概念に囚われず、そしてそれに屈せず、まっすぐで謙虚な気持ちで次々と偉業をこなしていく彼女の偉大さ...感動しました。
キーノートの様子はコチラの映像からどうぞ!
3. 各カテゴリごとに一挙公開!
1.Health,MedTech(健康・医療)部門 VocaliD | VocaliD
https://www.vocalid.co/
予防から医療現場そしてケア領域におけるクオリティ・費用対効果を高めるビジネス/プロジェクトに贈られるHealth,MedTech部門。受賞したのは、音声合成のプラットフォームのVocaliD。
発話ができない方が使う音声合成に"個性(声色)"を与えようというのが彼らがユニークなポイント。
言葉を明確に発話をすることができなくても計測が可能な声のピッチや大きさ・テンポと、彼らが世界中から集める声のライブラリー(VOICE BANK)の中の声と混ぜ合わすことで、"その人らしさ"を作っていく素晴らしいテクノロジーです。
2.Innovation in Connecting People(人をつなぐ)部門 FireChat | Open Garden Inc.
http://opengarden.com/firechat
ソーシャルネットワーキングサイト等、人と人とのつながりをつくるビジネス/プロジェクトを讃えるInnovation in Connecting People部門。
受賞したのは、携帯電話1台1台のBluetooth通信を利用したメッシュ状のネットワークを使い、電波が無い状態でもメッセージを送受信することができるチャットアプリのFireChat。まだ通信インフラが整っていない地域や電波規制が行われた場所でも人を繋ぐ事ができる画期的なアプリケーションです。
香港のデモの時に使われたととても話題にあがりました!
3.Internet of Things(モノのインターネット)部門 Clever Buoy | M&C Saatchi
http://www.cleverbuoy.awardentries.org/
私たちの生活に特に違和感なく受け入れられることができそうな、スマートな(利便性と効率性が高い)Internet of Thingsプロダクトに贈られる賞です。
オーストラリアのサーファーにとって、サメはとても脅威です。そこでサメを検知できるブイ、その名も「Clever Buoy」が開発されています。ソナーのように音の反響を使いサメの特徴(泳ぎ方や形状)をブイが検出し、ネットワークを介して(通信会社がスポンサー)、ライフガードやソーシャルメディアに通知する仕組みです。
4.Innovative 3DIY (イノベーティブ 3DIY)部門 Project Daniel | Not Impossible
http://www.notimpossiblenow.com/labs/project-daniel
3Dプリンティングをより身近にしたビジネス/プロジェクトを讃えるInnovative 3DIY部門。
世界中のどんな人々でもDIYできて入手しやすいテクノロジーソリューションを作っているNot Inpossibleが進めている「Project Daniel」が受賞しました。爆撃で手を失ったスーダンの若者ダニエル君にノートパソコンと3Dプリンターを使って低コストでDIYできる義手を届けた後、その義手を他の子どもに渡すための環境づくりを進めています。更にその活動を多くの人に映像等メディアを使って伝えている事もとても素晴らしいポイントですね。
5.Music Discovery(ミュージックディスカバリー)部門 Cone | Aether
https://www.aether.com/
音楽の新たな楽しみ方、出会い方を提示してくれるビジネス/プロジェクトを讃えるMusic Discovery部門では、ストリーミングサービスを再生できるコーン型音楽スピーカー"Cone"が受賞しました。
単なるスピーカーではなく、学習機能がついていてまさに「気分を読むスピーカー」です。399ドルでワイヤレス...デザインもオシャレで素敵なプロダクトですね。
6.New Economy(ニューエコノミー)部門 Acorns | Acorns
https://acorns.com/
シェアリングエコノミーや仮想通貨など、今までの経済の仕組みを変えうるビジネス/プロジェクトを讃えるNew Economy部門。クレジットカードやデビッドカードを使った買い物のおつりを投資に自動的に回してくれる画期的なアプリケーション"Acorn"が受賞しました。
いわゆる"おつり貯金"をITの力を使ってデジタルで実現し、投資や貯金のハードルをグッと下げるアプリケーション...これは使いたいです!!
7.Responsive Design(レスポンシブデザイン)部門 100 Years of Design | Second Story, part of SapientNitro
http://celebratedesign.org/
様々なインタラクティブデバイスにおいて機能的で美しいデザインを讃える部門です。
100年間のアメリカのグラフィックデザインを見ることができるWEBサイトが受賞しました...美しいです。
8.Sci-Fi No-Longer(SFが現実になった)部門 Noninvasive skin cancer detection device | UT Austin Cockrell School of Engineering
http://www.utexas.edu/news/2014/08/05/tunnell-cancer-detection-device/
今までSFの世界だったものが現実になるくらい、一般社会に大きい影響を与えるビジネス/プロジェクトを讃えるSci-Fi No-Longer部門。
テキサス大学が開発した皮膚がんを検出するデバイスが受賞しました。皮膚がんを調べるには、疑いのある皮膚を顕微鏡で調べる生体検査が必要ですが、時間もコストもかかる生体検査の手間がこのデバイスが普及することで解消されます。多くの人の癌の早期発見に繋がる、人の命を救う新たな技術...素晴らしいです!
9.Student Innovation(学生)部門 Expressive Wearable | Sangli Li
http://sanglidesign.com/expressive-wearables.html
未来をつくる学生発のプロジェクトに贈られる賞です。周囲の環境に応じて動く、コミュニケーションツールとしての洋服(帽子)...カメラを向けると目を隠したり、言葉に反応して耳を隠したりと、ファッションの未来を想像させる、ウェアラブルとの融合の可能性にワクワクさせてもらいました!
10.Sustainable Technology(サスティナブルテクノロジー)部門 EDGEhome | Green Edge Technologies, Inc.
http://edgehome.com/持続可能な社会をつくるためのテクノロジーを使ったビジネス/プロジェクトを評価するサスティナブルテクノロジー部門。
高価なスマートホームをもっと安価に、設置しやすくする事で、多くの人に届ける事をめざしているEDGEhomeが受賞しました。タブレットから制御できるようになるスマートホームのためのB2Bの電源ユニットとB2Cのアプリケーションを提供しています。
11.Transportation Advancements(交通)部門 Guide Dots | VML
https://creativeworkbench.com/guide-dots
人やモノの移動を変える、効率的でサスティナブルなビジネス/プロジェクトを讃える交通部門は、視覚障害者向けのGoogleMapを活用したクラウドソースのウォーキングガイドアプリ「Guide Dots」が受賞しました。
今まで視覚障がい者にとって得る事ができなかった周辺の情報を、人々の声で提供する事で、目的地に行くまでの町歩きが楽しくなる素晴らしいアプリケーションです!視覚障がい者の方にやさしいユーザビリティも設計されているようです。
12.Visual Media Experience(ビジュアルメディア)部門 netwars / out of CTRL | filmtank GmbH
http://netwars-project.com/webdoc
今までに無い魅力的なエンターテイメントを提供するビジネス/プロジェクトを讃えるビジュアルメディア部門。
サイバー戦争の恐怖を伝えるトランスメディア作品「netwars / out of CTRL」が受賞しました!インタラクティブドキュメンタリーもよくできています!!
13.Waerable(ウェアラブル)部門 FreeWavz Smart Earphones | hEar Gear, Inc.
http://www.freewavz.com/
機能や使い心地だけでなく、ファッション性としても優れているウェアラブルプロダクトに贈られる賞です。
ワイヤレスで耐水・耐汗機能がついているスポーツの時に使えるイヤフォン「freewavz」が受賞しました!内蔵心拍数およびフィットネスのモニタリング機能がついているスマートイヤフォンです!医師が設計したスポーツ時にピッタリのデザイン...これは欲しい!
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さて、SXSW2016に向けて、もし挑戦するならどのカテゴリにするか決まりましたか?
いくつか見ていて気になったことをポイントとして挙げておきます!
1. 挑戦するなら複数のカテゴリで応募をしてみましょう。
複数の部門に同時にエントリーすることも可能です。実際Local MotorsやConeは複数のカテゴリーにファイナリストとして残っています。
また、プラットフォーム・サービス・ソフトウェア・デバイス・アプリ...と、ジャンルの間口は広く用意されているので、ぜひ皆さんも応募してみてください。※各エントリー毎にお金がかかります
2. ファイナリストの殆どが北米...挑戦する価値は大きいです
Awardファイナリストの殆どが北米からの応募です。歴史は10年以上あるものの、まだ応募される地域は限定されていると予想されます。なおかつ募集のカテゴリが大きく変わった事もあり、来年以降どんどん応募は増えてくるでしょう。挑戦するなら2016年が"お得"かもしれません。
3. レポートがしやすいため、露出の機会が見込める
SXSWのセッションは広大な情報量で、正確な"今年のトレンド"としてまとめることは至難の業です。
メディア担当者や企業に報告しなければならない「伝え手」としては、取材のしやすいトレードショーをはじめ、アクセラレーターやアワードなどは「目につきやすい・理解がしやすい」ため記事にしやすいです。
露出の機会が見込めますし、トレードショーで更に注目されるキッカケになる事間違い無しです!
応募に関しての詳しい事項は、FAQをご覧下さい。
2015年に日本で生み出される未来をつくるビジネス/プロジェクトが、SXSW2016インタラクティブイノベーションアワードの授賞式で見れることを楽しみにしています!