イベントレポート:4/11「SXSW2023 報告会『A Look Back on SXSW:現地で何を見て何を体験したのか?』」
SXSW Japan Officeは4月11日に、東京・虎ノ門ヒルズフォーラムに於いて、SXSW2023の報告会イベント『A Look Back on SXSW:現地で何を見て何を体験したのか?』を開催しました。本イベントは、3月にテキサス州オースティンで開催された ”SXSW 2023” ならびに ”SXSW EDU 2023” に現地で参加された日本の方々による報告会イベントとして開催されました。3つのパネルセッションには合計10名の方々にご登壇いただき、視察や出展などそれぞれの参加目的、SXSWの魅力や現地での体験談等をお話しいただきました。当日は200名を超える来場者で会場は満員となり、日本国内でのSXSWに対する関心の高さを感じるイベントとなりました。
パネルセッション①視察参加
きびだんご株式会社: 松崎良太 様
ヤマハ発動機株式会社: 若原強 様
最初のパネルセッションではSXSWに何度も通うリピーターの視察参加者2名が登壇し、それぞれが参加したセッションでの議論や、視察参加の際に重要なポイントやテクニックを解説しました。今年のカンファレンスセッションでは、Chat GPTを始めとするLLM AIの話題や、米国で研究が進むサイケデリック分野についての話題が多く、昨年話題となったNFTやWeb3.0からガラッとトピックが変わっていたそうです。また、SXSWの魅力としてスピーカーとの距離が非常に近いことや、1対1のメンターセッションをうまく利用するなど、視察としての参加でも行動の仕方次第で非常に大きな成果を得られると語られました。また、自動文字起こしアプリと翻訳ソフトの活用方法にも触れ、テクノロジーの進歩によって英語に対するハードルが年々下がってきている事から、英語を理由に参加を躊躇している人にも来年の参加を呼びかけました。
パネルセッション②CIE出展参加
ヤマハ発動機株式会社: 末神翔 様
DENTSU INC.:本多集 様
zeroinon Inc.: 上岡玲子 様
Lion Corporation:物井則幸 様
2つ目のパネルセッションには、SXSW会期中に行われる展示会”Creative Industries Expo”への出展者から4名が登壇しました。今年の日本からの展示会への出展者数は、SXSWでは15社、SXSW EDUでは2社となり、去年に比べると多くの日本企業がSXSWへ戻ってきてくれました。SXSWに出展する目的としては、開発中のプロジェクトや商品のプロトタイプに対するフィードバックを得る事、または協業相手や海外進出の可能性を探るネットワーキング等が多く挙げられました。ブースの来場者対応に追われる非常にハードな4日間でしたが、その分得られる成果も多かったと言います。また、SXSWの来場者には尖った感性を持つ人が多いと皆さん口を揃えて語っており、ちょっと変なプロダクトや奇妙なアイデアが好まれるという独特のSXSWカルチャーを感じる事ができたそうです。ブース運営や設営の面では、特に初めての海外展示会への出展の方は思い通りにいかない事も多く、その場でプランを切り替えて何とかする現場対応力が鍛えられたというエピソードが語られました。
パネルセッション③様々な参加
Equmenopolis Inc.:松山洋一 様
COLDRAW:望月重太郎 様
日本テレビ:加藤友規 様
バンダイナムコ研究所:中野渡 昌平 様
3つ目のパネルセッションでは、展示会への出展者を含め、それ以外にもピッチやアワード、イベント開催やプレスといった様々な参加方法をされた4名が登壇しました。SXSWでは展示会だけでなく、それぞれの目的に合わせて様々なアセットを組み合わせ、効果を最大化する事が可能です。例えば、投資家コミュニティとの繋がりを作りたいスタートアップはピッチ大会へ、独自のプロジェクトを大きくリリースしたい場合はアワードへ応募する事で、ファイナリストに選出されるとSXSWに参加できます。今年は日本から、SXSW EDUのピッチ大会のファイナリストに1社、SXSWのInnovation Awardsのファイナリストに3社が選出され、登壇者からも応募の背景や経験談が語られました。また、その他にも今年はGaming Industry Happy Hour内でバーチャルDJパフォーマンスが行われ、現場の盛り上がりと裏側のトラブルについても語られました。このようにSXSWでは、独自のイベントを開催する事も可能です。今後もSXSWで実現したいアイデアをもとに、様々な参加方法でチャレンジする日本の方が増えていく事が期待されます。
イベントの最後には、2023年10月にオーストラリア・シドニーで初開催されるSXSW Sydneyに関するお知らせや、来年3月のSXSW2024に向けた今後のスケジュールが告知され、早くも次のSXSWに向けての期待感が高まってきました。
来年はより多くの日本の方がSXSWに参加し、それぞれの目的を達成する場として活用していただけることを願います。
撮影協力:本間 健太郎 様