SXSW Japan Officeとして初となるSXSW2020に向けた説明会を開催しました。

SXSW2020注目テーマは「大麻ビジネス」と「宇宙」

Marketing Strategies for SXSW / SXSW EDU 2020

イベント開催レポート

アメリカテキサス州オースティンで毎年3月に開催される、世界最大級のカンファレンス&フェスティバル、サウス・バイ・サウス・ウエスト(以下、SXSW)。1987年のスタート以降成長を続け、昨年には106カ国から延べ417,400人を集めるビッグイベントとなっている。日本からの参加者も年々増加しており、2018年には1500人以上に。さまざまな企業が有意義なマーケティングの場として、SXSWを活用していることでも注目を集めている。

この度、来年に控えたSXSW2020に向け、SXSW Japan Officeを務めるVISIONGRAPH Inc.が、プレスと企業を対象にした説明会を、2019年9月17日、DMM.make AKIBAで開催した。

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  • 近年のSXSWのトレンドと2020の最新情報

先行して行われたプレス向け説明会では、米国のSXSW運営本部から来日したGlobal Head of Sales & OperationsのPeter Lewisと、VISIONGRAPH Inc.の米国在住スタッフであるAya Porterが登壇し、SXSWの最新情報について、9つのトピックスに分けて解説。

まずは、毎年ビジネスカンファレンスにおいて設定される、「トラック」と呼ばれる複数のテーマの今年の変更点について、2019年は25あったトラックが2020年は22トラックに統合した点や、いくつかのトラックの名称がアップデートされたこと、今年は新たに ”Space(宇宙)” など新たなトラックも加わったことが語られた。

続いて、2019年に新たに追加されたトラック「大麻ビジネス」への反響や、SXSW2020に向けた米国のトレンドと新たなトピックスについて、解説が行われた。SXSW2020で特に関心を集めることが見込まれるトピックスとして、ジェネレーションZ世代からの反応を見据えたソーシャルアクティビズムに関する話題や、2022年に控えたアメリカ大統領選の争点の一つになるであろう大麻ビジネス、アメリカで広がっている “ Loneliness epidemic “ = 「孤独な病気」と呼ばれる状態について、そして性別や人種を超えた差別のない世界をつくるためのダイバーシティの問題が紹介された。

さらに話題は、SXSWにはどのような人々が参加するかについて展開。Peterは、「SXSWはクリエイティブな人々がそれぞれの目標を達成することを支援している。SXSWは学びや成長を求める人、社会をよりよくしたい人、才能やアイデアを披露したい人、それら全ての人々にチャンスがある場所だ。」と語った。

また、SXSWのデザインコンセプトや、一般公募から登壇者を選出するプログラム「パネルピッカー」についても、近年の傾向について解説が行われた。


  • SXSWを象徴する言葉  ”Convergence” ”Diversity“ ”Inclusive” 

”Convergence” とは、業界の縦割りを取り払い、人々やアイデアを混ぜていくこと、”Diversity“ は、同調したり響き合うだけでなく、反対意見も含めたさまざまな考えを織り混ぜていきながら新しいものを生み出すこと、そして ”Inclusive” は、さまざまな声を無視することなく、すべてを取り込んでいくこと。Peterは、「これら3つのコンセプトには重複する部分があるが、アイデアを共有したり、さまざまな声を聞きながら素晴らしいものをつくっていこうという思いはすべてに共通している」と話した。

インタラクティブ、ミュージック、フィルムの3つの部門におけるトレンドの変化と、例年、数多くの人々が参加しているSXSWのボランティアに関する説明のあと、質疑応答へ。

「パネルピッカーのアドバイザリーボードをどのように決めているか」「SXSWの日本からの参加者にはどのような視点が求められるか」など、活発な質問が飛び交った。

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  • 日本企業がSXSWで注目される秘訣とは

続いて同日行われた、SXSWへの参加を検討する企業に向けた説明会『Marketing Strategies for SXSW / SXSW EDU ~SXSWを有効な企業マーケティングの場として使うために』には、米国SXSW運営本部から、Peter Lewis、Neil Minocha、Mirko Whitfieldが登壇。VISIONGRAPH Inc.からの参加ガイダンスと、マーケティング機会に関する説明のあと、SXSWに関して多く寄せられる10の質問をもとにしたパネルセッションに移った。

まずはSXSWに自身のプロダクトやサービスを持って行く際の心構えとして「嘘偽りのない自分自身の気持ちを伝えることが大切」だとし、自分らしいアイデアや、仕事を見せに来ることが重要であると、Peterは話す。

さらに、「トレードショーは未完成のプロトタイプを持っていく場所であるのか」「展示ブースのデザインはイベントプロダクションとどのようなやり取りをするのか」「トレードショーにおける国別と業界別のエリアへの参加、それぞれにどのようなメリット・デメリットがあるか」「SXSWへの効果的な参加方法を教えてほしい」「パネルピッカー、ミュージックやフィルムのショーケースやアワードにはどのような人が応募できるのか」といった話題について、具体的なレクチャーが行われ、トレードショー、ピッチ、ハウスのイベントにおける最近の成功例として、トレードショーでは人目を引くセットアップで多くのメディアの注目を浴びたLush Labs、ピッチでは今年受賞したUbiGro、ハウスではAmazon Primeによる『Good omens』といった事例があげられた。

「ピッチでファイナリストに残るためには?」という質問に対しては、Neilから「審査基準を十分に確認することと、ネイティブレベルの英語が申請時にも実際のピッチの際にも重要になる」と説明。VISIONGRAPH Inc.から補足として、「ファイナリストに選ばれた際には、アドバイザリーボードからピッチの指導を受けることができ、スピーカーのコミュニティにも入ることができるため、非常に有利になる」と語られた。

最後に、SXSWの一環として行われる期間を分けて開催される教育分野のSXSW EDUに関する質問のあと、休憩を挟んで、セクション別にラウンドテーブルを開催。「トレードショーの外でハウスを持つならどのエリアが人気か」「インタラクティブ部門でこれまで日本の映画が上映されたことはあるか?」など、多数の質問にSXSW運営本部のメンバーが回答。各セクションともに、参加者の関心の高い様子が見受けられ、イベントは締めくくられた。

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左から曽我(SXSW Japan office)、Mirko / Neil / Peter (SXSW Global Head of Sales & Operations)、Aya(SXSW Japan office) / 宮川(SXSW Japan office)

  • SXSWとは・・・

毎年3月にアメリカ・オースティンにて開催される、音楽・映画・インタラクティブをテーマにした巨大ビジネスカファレンス&フェスティバル。2020年は3月13日~22日に開催予定、現在世界中から参加者を募集中。2019年6月より、未来予報株式会社/VISIONGRAPH inc.がSXSW Japan Officeに任命され、日本からのSXSW参加者に向けた様々なイベントを開催している。