今回は未来予報の中でも年々お話しさせていただく事が増えてきた、”街”についてのお話しです。
代表の曽我はもともと学生時代にまちづくりのイベントにインターンをしていたり、都市にまつわる研究をしていたこともあり、SXSWのファミリーイベントのSXSW ECO(現在は3月のSXSWに吸収)では、建築やまちづくりのセッションを聴講してきました。

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こんにちは、未来予報の曽我です。
今回は私が長年追いかけてる興味ある個人のテーマ「都市、街、まちづくり、建築」などについて、SXSW2019のセッションで考えていきます。

SXSWの最大の魅力は、学会や専門的なカンファレンスとは違い、全く異なる業種のプロフェッショナルが集まり、個人個人GIVEをし合いながら未来を議論する事です。
特に都市やまちづくりは、様々な視点がより必要になりますよね。
都市計画家や建築家だけ集まっていても見えてくる未来の選択肢は広がらないでしょう。
そこにスタートアップやアクティビストが絡んでくることで化学反応が起きていくのは容易に想像がつきますし、SXSWらしい風景だなと思います。

でも実はそれだけが化学反応ではありません。
例えば、セッションで隣になった人が地元のオバちゃんだったことがあります。
「主婦として生活する中で毎日のゴミ出しに疑問を感じたから来たのよ〜」と言ってました。
また、たまたまバスが一緒になったSXSWのボランティアの男性に声をかけてみると、「発達障害を抱えているからそれを強みにして何か社会貢献がしたいからこのセッションに行きたいんだ」という元ホームレスだったり。
オープンな対話の場を大切にしているSXSWのセッションでは、「オーディエンスにどのような人が集まりそうか?」という視点を持つのも一つ楽しむコツだと私は考えています。

さて、その盛り上がりが期待できそうな都市・街・まちづくり・建築系のセッションをいくつかご紹介していきましょう。


ミニシアター存続の道はE-Sports⁈ 映画館は新たな街のサロンとなれるか。

Gaming for Good: How Amateur Esports Build Character
3/15 15:30-16:30

https://schedule.sxsw.com/2019/events/PP100326

アメリカ各地の映画館をアマチュアEスポーツ会場にするビジネスを展開するSuper League Gaming。インターネット上のコミュニティがメインになってしまっているEスポーツのコミュニティを、よりローカルでアナログなものに拡張できないかとCEOのAnn氏は考えています。
ビジネスモデルとしてはチケット販売を行い会場の映画館とシェアするモデル。アマチュアEスポーツを盛り上げプレイヤーの裾野を広げながら地域を盛り上げる事で、将来的にはゲーム会社やスポンサーに対してマーケティングを行うプラットフォームにもなれそうです。
元ミニシアター好きの私としては、どんどん日本の映画館が閉まっていくのは悲しいです。週に何度かは、街の小さな映画館からスポーツバーのように歓声が上がる日があってもいいなぁと期待が持てそうなセッションです。
世界中から集まった人はどんな未来の街を想像するでしょうか?質疑の時間が楽しみです。


世界的建築家から学ぶ、新たな意味を付与して未来をデザインするFORMGIVINGの精神


Featured Speaker: Bjarke Ingels
3/12 15:30-16:30

https://schedule.sxsw.com/2019/events/PP100574


ネットフリックスのドュメンタリー「アートオブデザイン」にも取り上げられた建築家ビャルケ・インゲルス。私もこのドキュメンタリーで彼のことを知りました。最近ではカルフォルニアのグーグル新社屋なども手がけたり、WeWorkのチーフアーキテクトに就任している世界的に有名な建築グループBIGを率いています。


彼が設計していたコペンハーゲンの火力発電所には、ゴミ焼却炉だけでなく、そこを緑化し、壁にクライミングウォールを作ったり、屋根を利用したスキー場が併設されているのです。ある意味で空間をハックして、新しいライフスタイルを作る彼はユニークに映りますが、もちろん環境への配備も忘れていません。


最近見かけたインタビューでは火星での建築の試行も行なっているそうです。その時に考えなければならない要素は人間の行動や地球環境への配慮に留まらず、新たに生態系を構築していくという大きいお題が課されます。彼はどうやってそのような情報を噛み砕き、建築に落としていくのでしょうか。
そんな彼の仕事術とそしてビジョンは、建築家だけでなく、デザインに関わる人々の視野をグッと広げてくれるでしょう。
是非セッションを聞いたグラフィックデザイナーと夜にお酒を飲みながら話したいところです。


新しい時代のコミュニティが求めるソーシャル・インフラストラクチャ

Featured Speaker: Eric Klinenberg
3/10 12:30-13:30

https://schedule.sxsw.com/2019/events/PP101165
私のNetflixお気に入りドラマ マスター・オブ・ゼロ主演のコメディアンのアジズ・アンサリとともに「当世出会い事情ースマホ時代の恋愛社会学」というSNSやマッチングアプリ時代の恋愛書を共著した社会学者エリック・クライネンバーグが登壇します。
この本の中でも「アプリでどんどん良い人出てくるから選べない」という現代病について解説されていますが、日本もアメリカも生涯未婚率や単身世帯はどんどん増加しています。
日本では2040年までに単身世帯は39.3%にも達すると予測されており、今までとは違う家族像を受け入れるための新たなスタンダードをつくる必要があると考えています。それは生活サービスはもちろん、建物も街も同じ事が言えます。プロジェクトでご協力させていただいたPanasonic Futurelife Factoryのこちらも同じ課題感からコンセプトワークが出来上がっています。
このように一人で居住する「独人」が増えた時に一体街はどうあるべきなのでしょうか?

彼の最近の著書「PALACES FOR THE PEOPLE – How Social Infrastructure Can Help Fight Inequality, Polarization, and the Decline of Civic Life」の中では特に公共物・インフラにスポットをあてています。
公共物と言っても道路や橋ではありません。彼は”ソーシャルインフラストラクチャ”それらを呼び、意味のある繋がりを促進するための公共物というビジョンを描いています。
例えば、ブルックリンにある図書館では、ゲーム機器を活用したバーチャルボーリング大会が行われており、高齢者達は家に篭ることなくそこで新たな交流を育んでいます。このような意味のあるコミュニティをつくる図書館、アーバンファーム、スポーツ場などなど。
当社の”2019年予報”にも書きましたが、公共物をもっと面白くしていこうという動きは日本でも多く試みが始まってきている兆しであると思うので、彼の視座から「どんな場所があったら面白いかなぁ」と妄想を膨らますのは楽しそうですし、一方で試みを試したが上手くコミュニティができなかったという声も出てくるでしょう。
SXSWには私と同じミレニアル世代が世界中から集まっています。共感してもらえる人が沢山いそうでアイデアを交換したり、その理想の運用体制について議論してみたいと思いました。



サウスバイの場づくりコンペ Place BY Design

3/11 15:30-16:30
https://schedule.sxsw.com/2019/events/PP102716
もともとSXSW ECOで開催されていた場づくりのデザインコンペが今年も開催されます。
ピッチを通じて地球環境やコミュニティ形成について評価がされ、今までには著書にも書いたデトロイトのコミュニティ再生のためのモバイルDJブース「Mothership」やヒップホップの文化ミュージアム「Hip Hop museum」などが選ばれました。
今年のファイナリストはこちらからご覧いただけます!
直接見に行ける作品もありそうなので、ぜひ行きたいと思っています。
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今回はこれくらいにしておきます。オースティンでお会いできる事を楽しみにしています。
もっと日本のまちづくりや建築、都市設計関係者の方にSXSWにきてもらいたいなーと思ってます!



未来予報株式会社

未来像<HOPE>をつくる専門会社。大手メーカーやスタートアップとともに、リサーチに基づく未来のストーリーやビジュアルを作り出している。日本唯一のSXSW公式コンサルタント。
10年後の働き方』(インプレス社)を発売。培養肉マイスター、バイオ衣装デザイナー、3Dプリント建築家など、世界で実際に進められているプロジェクトから、50の未来の職業を提示した。Amazon情報・コンピュータ産業カテゴリーでベストセラーを獲得。その活動がBRUTUSやAXIS、WIREDなどメディアに取り上げられている。虎ノ門ヒルズ・六本木ヒルズ、日本財団ソーシャルイノベーションフォーラムなど講演活動多数。

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