視聴環境の一大転換がおきています。
100万人に100万通りの映像へ。すべてのコンテンツ(映像に限らず)がその人の趣味趣向に合うよう個別最適化されていっています。音楽はアルバムの順番で聞かずに自分のためのプレイリストで聞くようになりました。ともすればプレイリストさえレコメンドされ生成されます。映像もゲームのようにマルチシナリオになったり、リアルタイムに見る人の好みのカットにトリミングされたり、というようなことが起きるかもしれません。ユーザーが視聴してはじめて“完成”する映像の時代が訪れようとしています。

さらに、映像制作はプロだけのものでなくなりました。今やスマートフォンで撮影して簡単にアップできます。プロとアマの境界線が曖昧になっている現状をみてみたいと思います。


・予報01:プロとアマの境界線が曖昧に

YouTuber(YouTubeへの動画投稿者)の予想最高年収は7億円…2000年代には考えられなかったことが起きています。
The 25 Highest Earning Youtube Stars(YouTube高所得者ベスト25!)
かつて映像制作は莫大な資本と人脈がなければ厳しいものでした。しかし技術の進歩によって、特にこの20年の間に撮影機器、編集ソフトが安価で手に入りやすくなり、スマートフォンとタブレットの出現で誰でも映像をつくって配信という時代に。

老舗YouTubeだけでなく、Instagram、Facebook、VineなどSNS・コミュニケーションツールには動画が主流になりつつあります。アイデアとクリエイティブへの情熱があれば無料ツールを使って誰もが発信できる、そんな時代が来てしまいました。


日系アメリカ人で人気Youtuberのnigahigaによるミュージックビデオ。プロも顔負けの仕上がり。最高予想年収は2億3千万円。


Vineへの投稿がきっかけでメジャーレーベルとレコード契約した夫婦デュオ「Us」


Vineで話題の女子高生Reika Oozeki。フォロワーが約15万人。

・予報02:乱立する動画キュレーションメディア

動画のプレイリストともいえる、動画キュレーションメディアが続々と登場しています。YouTubeの中から面白いもの、感動するもの…を見つけるのは楽しい反面、大変な時間と労力を使うのも事実。2013年くらいから”動画”のキュレーション(あるテーマをもって情報を集め新しい価値を与える)メディアが爆発的に増加しています。

・CurationとCrazyを融合した笑うメディアCuRAZY
・心をゆさぶる動画・画像サイトWhats-ワッツ-
・「刺さる」動画メディアdropout(ドロップアウト)
・チャレンジ発掘メディアTemita-てみた-
・心動かす、マルチメディア – feely(フィーリー)
・プロモーション動画のバイラルメディアBuzz-Video.tv

気分によってコンテンツを容易にピックアップできる時代が幕開けしました。現在は気分に合わせて自らキュレーションサイトを選んでいますが、生体情報から気分を抽出したり、行動パタンから気分を予測して「あなたは今感動したがってますね」とか言いながら、泣ける動画をレコメンドしてくれるようになったら??
そんな未来を身近に感じさせてくれるサービスがこちらの「5by」。細かく気分の設定が用意されていて、木曜の夜>トイレの中で>かわいいもの、と選択していくと、その気分や好みに合わせてYouTubeから動画を探してきてくれます。今後何年間かは動画のコンシェルジュのようなサービスがたくさん出てくるかもしれません。

・予報03:視聴して初めて完成する映像?


ゲーム開発会社のActivision R&Dのデモ映像(2013年)。こちらはあらかじめレンダリングされたCGではなく、リアルタイムにレンダリングして再生されたものの記録映像です。人間の表情がリアルに再現されていて、少し気持ち悪いくらいです。これを見るとゲームのように、映像作品がマルチエンディング化するということも難しくなさそうです。見る人によってカット、登場人物(主人公が自分の好みのタイプにアレンジされる!など)、シナリオなどがその場で生成される、という未来がそこまで来ているかもしれません。