SXSWは「未来を見る場所」というコンセプトを立てて5年。

出展者もスピーカーもスタートアップ中心から大企業中心へ変わり、
日本からの参加者も1000人近くに増え、様相が大分変わってきています。
未来というよりは今。インディーズというよりはメジャー。

変わることは当然ですしそれが悪いとは思っていませんが、私たち未来予報は、
SXSWの原点が「オルタナティブな精神」であることをずっと大切にしたいと思っています。

これまで5年間、ブログ記事や講演で、SXSWはどういうものか、自分たちがなぜこんなにもワクワクするのか一生懸命情報をまとめ、少しでもこの面白さをわかっていただけたら、という思いで伝えてきました。
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「SXSW」と検索すると私たちのブログや寄稿記事が上位全てにヒットするようになり、未来予報さんのブログを読んでSXSWに行ってみたくなり実際に来ちゃいました、とか、SXSWに行く前に予習をしていかなきゃ行けないってわかりました、と、多くの方に言っていただけることが、どれだけ励みになったことか!
(特に私たちはSXSW本部やSXSW日本事務局からお金を頂いていた訳ではなかったので、本当に自主的な活動です!笑)

2011年に井口尊仁さんが掲げられた「1000人でSXSWへ行こう!」という呼びかけから、6年後の今年、バッジホルダーや展示者、アンオフィシャルな人数を含めると1000人を超えたのではないかと思います。

「1000人でSXSWへ行こう!」と呼び掛けた井口氏
「1000人でSXSWへ行こう!」と呼び掛けた井口氏

正直、日本からの参加者が1000人を超えてくるとは思ってもみませんでした。

これはひとえに、井口さんや、関口憲義さんと言った2011年以前から参加していた方々、Todai to Texas他の出展者の皆さんの活躍や功績、もちろんPerfume、微力ながら私たちの地道な活動によるものだと思っています。
SXSWの存在を日本で広め、日本からの参加者を増やす活動としては、一定の成果を上げたものと思っています。

2012年のトレードショーの様子
2012年のトレードショーの様子

ただその一方で、空気が変わっているのも敏感に感じています。

まずイノベーターと言われる方々はいなくなってしまいました。
SXSWが一番歓迎するのは今も昔も変わらず創造者です。
※井口さんはSXSWは”創造者のための祝祭空間”とおっしゃってました。
IT業界のサムライ1000人でテキサスSXSWを目指すことの意味 【井口尊仁】 

新しい考え方、新しい価値観、新しいアイデア…、

それはなかった!ずるい!かっこいい!と感動してしまうような
セッションやピッチや展示を探して出会うのがSXSWの醍醐味です。
1000人の中に私たちが嫉妬してしまうほどの”創造者”に会えたかというと、
まだ出会えていない、会いたい、というのが正直な気持ちです。
(創造者がどれだけ稀有かはわかった上で敢えての発言です。)

そういうもやっとした気持ちの中、InteractveのトップHugh Forrestさんにお話伺うことができ、
非常に納得しました。こちらをぜひご覧ください。


要約すると、
1. 将来、日本の参加者から何を期待しているか?

  • 日本からの参加者が増えていてとても嬉しい
  • 日本からインディーズ精神をもったスタートアップともっともっと出会いたい
  • サウスバイで出会ったものを日本でも共有してほしい
  • 2. 大企業からスタートアップまでがお互いにフラットにいられる雰囲気はどうやって作っているのか?

  • 大企業がSXSWに来てくれるのは非常に嬉しいし、大企業にできることは多くある
  • しかしイノベーションや世界をよくするアイデアは小さい会社やスタートアップ、起業家から生まれてくることを私たちは知っている
  • だからこそ、彼らのアイデアと出会ってもらう機会をSXSWは提供し続けている
  • 3. オープニングでお話しされていた「皆が注目してるトレンドではなく、自分のトレンドを探す」という内容を具体的に教えて欲しい

  • SXSWの素晴らしさの一つは、多種多様に異なる分野の人・コンテンツ・トピックスが集まることです
  • 私はいつも参加者に異分野の人と交流し、異分野のセッションを見ることを促しています
  • 思いもよらなかった人と出会いや、新たな視座は自分の領域の外からやってきます
  • 違う領域のグループ同士が集まり、お互いに違う強みを理解し合い、新しいアイデアや繋がりをつくってもらう。これこそ最も価値があり、意味のあることだと思います。
  •    

    次に、give and takeの精神が薄れているのを感じています。

    私たちが2014年に書いた記事を読み直すと、

    ”世界中から集まった参加者たちは1分でも1秒でも無駄にできません。
    だからこそGive and Takeの空気が露骨に出ていて、与えられるという姿勢では端から相手にされません。”
    (>なぜ未来予報しはSXSWに行くのか 

    と書いていました。
    あなたは何ができるの?私はこういう貢献が出来ますとまずは主張する=give、それからでないと話は進みません。
    いかに相手にgiveできるかという姿勢や態度が充満していたのに、いつの間にか”もらう”ことしか考えないような空気になっているのを感じます。
    情報は交換して初めて価値があるものだと思います。
    だからこそ、スピーカーやアントレプレナーからgiveしてもらったものを日本の皆さんへ、純粋な気持ちでgiveしてこれたのだと思います。

    自分たちの自己顕示欲・承認欲求から来るものではなく、単純に素晴らしいアイデアを伝えることへの喜びです。

    2015年にDMM.makeさんのハウスで開催させていただいたミートアップパーティ(画像提供:小林茂様)
    2015年にDMM.makeさんのハウスで開催させていただいたミートアップパーティ(画像提供:小林茂様)

    take,take,take,take…, の空気は辛いものがあります。
    それじゃ、いい世界はつくれないだろうなと思います。
    もやっとした気持ちの中偶然か、3/13 14:00-からInteractive KeynoteでAdam Grantさん(GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 著者)がお話しされます。
    これは聴きに行かなければなりませんね。

    空気が変わったなと感じる象徴的な出来事が本日ありました。

    Meetupを行うため、ビラを配っていました。
    ビラを日本の方にも渡しましたが、体感で7割は、無視か手で遮る仕草のみです。
    ここは東京かよと思いました笑

    日本以外の国の人たちは、絶対にそのようなことはしません。
    要らなくても必ずニコっと微笑みます。
    時間があれば一生懸命話を聞いてくれますし、なくても微笑んでスルーでした。
    他でもこう言った態度でしてるのかなと思うと、恥ずかしくも悲しい気持ちになりました。
    人が多くなれば仕方ない、日本人だから仕方ないとおっしゃる方もいるかもしれませんが、
    そもそもその態度はDiversity、相手を理解する、以前の問題でNGだろうなと思います。
    特にSXSWにおいては。

    こういった大きな変化を感じながら、私たちならではの活動方針は変えず、さらにもっとユニークにしていきたいと考えています。

    そうすれば、また日本のイノベーターの方々が戻ってくるかもしれないと希望を持っています。

    オルタナティブなものや人に心酔してしまっている私たちの活動を、応援してくださるたくさんの方々のために、
    より良い情報を届けて一緒に議論していきたいと、やる気満々です。